Skip to content

肥料価格の高騰対策について

肥料高騰対策について
価格が高騰する肥料

世界的な肥料の需要増加やロシアによるウクライナ侵攻等の影響により、化学肥料原料の価格が大幅に上昇し、肥料価格が急騰しています。これから果樹類の施肥時期になりますが、肥料高騰対策についてご説明します。

Topic1. 肥料価格が高騰している理由

肥料原料は、穀物相場の上昇から好調な需要が続くなか、ベラルーシに対する経済制裁、中国の輸出規制、ロシアのウクライナ侵攻により、世界有数の肥料輸出国からの輸出が停滞し、需給がひっ迫したため、「窒素」「りん酸」「カリ」の国際市況は、すべてが史上最高値まで上昇し、今後も高い水準で推移すると見込まれています。また、外国為替相場は日米の金利差の拡大を受け、急激に円安が進行したことが価格高騰の原因だと考えられます。

令和4年秋肥価格(6∼10月)

秋肥価格

 ※JA全農引用 ※化成肥料の原料となる単肥は総じて値上げ傾向です。

高騰対策として有機質肥料の利用

有機質肥料の活用は、土づくりだけでなく肥料効果も見込めます。堆肥や家畜排せつ物・食物残渣など身近にある資源を活用することにより、肥料を安価に手に入れることができるため、コスト削減に繋がります。ただし有機物を施用する際、発酵が進んでいない未熟なものを使うと農作物に悪影響を及ぼしてしまうため注意が必要です。

有機質堆肥紹介

化成肥料に頼らず中野市で生産される堆肥を施用し、土づくりを兼ねて元肥で施用し、有機栽培に取り組んでみませんか?堆肥の成分や働きについてご説明します。今後、有機質堆肥を使用する際、参考にしてください。

きのこ使用済み培地(3か月以上堆積してから施用)

コーンコブを原料とした使用済み培地を施用することにより、「土壌の団粒化」「保肥力・保水力」「作物の根張り」などが向上することから、土づくりと樹体の樹勢回復に有効です。ただし、未熟の使用済み培地を投入すると「根痛み」の原因になるので、3か月堆積後、腐熟の進んだ使用済み培地を施用し、耕耘してください。

エアーポイント


eapoinnto1_sコーンコブを原料とした使用済み培地に鶏糞や微生物を混和させ発酵させている堆肥です。土壌の物理性改善に有効で、土づくりに、より良い効果があります。また、植え付け時に使用することにより、発根量が増加し、健全な根の生育に期待ができます。

写真:エアーポイント

エコマッシュ

ekomassyu2_s

コーンコブを原料とした使用済み培地に、堆積中に空気を送風し腐熟と乾燥を進めた堆肥です。水分含有量が少なく軽いため播きやすく、土壌団粒化により、収量の増加だけでなく葉の健全化に繋がります。

写真:エコマッシュ

スーパー響土

supakyoudo3_sお茶の葉やコーヒー粕に微生物を混和させた堆肥です。良質な腐植の割合が高いので、団粒化が促進され土が柔らかくなり根張りが良くなります。ぶどうの植え付けの際に使用すると、細根(吸収根)の発生量が多くなる堆肥です。

写真:スーパー響土

 

 Topic2. 土壌分析をしてみませんか

土壌は見た目だけでは判断できない

肥料を施用するときに、施肥基準などの肥料をそのまま施用していることが多いかもしれません。しかし、場所によって土壌の性質が異なるため、基準通りに肥料を繰り返していても肥料成分に過不足が生じてくる場合があります。過不足が大きくなると欠乏症状や過剰症状といった問題が生じてきます。特に過剰な成分は、それだけを土から取り除くことはできないため、肥料で減肥調節していくしかありません。

長年の経験からくる勘を頼りにするのも大切ですが、土壌分析をすることにより簡単に土の状態を把握することができます。作物と土壌のバランスを整えることと、肥料の無駄遣いを防ぐためにも、土壌分析を積極的に実施してください。

有機質堆肥の成分比較と施用量

有機質対比の成分比較と施用量

土壌分析表の活用

土壌分析は「畑の健康診断」といえます。分析表から、現状の状態を確認し肥料の選択・施用量を定めるため、土壌分析表の見方を知る必要があります。

 

JAの土壌分析は、土壌分析表の作成のほか、必要な肥料名や施用量などのコメントを記載し、生産者の皆様へお渡ししています。上記の土壌分析表のように、土壌中の肥料過不足が明確に分かるので、次年度の施肥量の目安にご活用ください。また、土壌分析についてご不明な点は園芸課 営農センターまでご相談ください。

テレビや新聞で肥料価格高騰が報道され、特に化成肥料の価格が高騰しています。施用量の見直しをするために土壌分析を実施し、もう一度園地の土壌の内容を調べてください。

また、中野市内には有機質堆肥がたくさんあります。有機栽培を積極的に実施し、健全な土壌で高品質でおいしい農産物生産に取り組みましょう。

 

営農センター内 園芸課技術

TEL:0269-23-3933